江戸前寿司職人「サーモン扱ったら負けと思っている」

 持ち帰りすしチェーンで知られる「京樽」が16年10月に結果を発表したウェブアンケート調査では、全国の男女1000人に「江戸前寿司で好きなネタ」(複数回答可)を質問。
この結果、1位は46.6%の支持を集めた「サーモン」だった。

 こうしたサーモン人気の要因について、寿司の歴史や食べ方などに詳しい職人養成学校の関係者に見解を尋ねた。
J-CASTニュースの17年4月6日の取材に応じたこの関係者は、「回転寿司や宅配寿司チェーンの台頭が大きいでしょう」と述べた上で、次のように分析する。

  「サーモンの人気を集めている理由は、大きく分けて三つあると思います。まずは価格が手頃なこと。二つ目は、炙ったりマヨネーズをかけたりという調理法や味付けが、若者の味覚にマッチしたこと。
最後に、仕入れが容易で、大規模なチェーンでもネタを扱いやすいことも理由の一つでしょう」

 ただ、この関係者は「本格的な寿司店では、サーモンを置いていない店も多いでしょう」とも指摘。その理由は、もともと江戸前寿司には存在しなかったサーモンというネタを、寿司の伝統を重んじて「扱わない」職人が多いためだという。

 では、そうした職人たちは昨今の「サーモン人気」についてどう見ているのか。サーモンを一切扱わないという東京・下北沢の寿司店「福元」の職人の男性は取材に、

  「いまの若い子とかは、油さえのってればいいと考えてしまうんじゃないかな。しかも、サーモンならどんなに鮮度が悪くても炙ってマヨネーズとかレモンをかければ分からないでしょ。そうなると、店側も安く出せるよね」

とサーモンが人気を集めている要因を分析。続けて、最近では職人が握る本格的な寿司店でもサーモンを扱うところが増えているとして、次のように話していた。

  「商売を考えたら、サーモンを置かざるを得ないんでしょう。でも、僕は絶対に嫌だな。サーモンを扱い始めた職人には『何をやってるんだ!』と言いたい気持ちですよ」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170408-00000003-jct-bus_all&p=2